パクリタキセルによる神経障害性疼痛に対する抑肝散の鎮痛効果を検討した。抑肝散の継続経口投与では、有意な鎮痛効果を認めた。抑肝散の鎮痛効果にセロトニンが関与すると考え、セロトニン合成阻害薬を投与した。その結果、セロトニン合成阻害薬を投与した群では有意な疼痛閾値の低下を認めた。さらに、抑肝散の鎮痛効果発現部位の1つが脊髄である可能性を考え、3つのセロトニン受容体拮抗薬を髄腔内に投与した。結果、2つのセロトニン受容体拮抗薬で有意に疼痛閾値が低下した。抑肝散はパクリタキセルによる神経障害性疼痛に対し鎮痛効果を有し、その効果発現には脊髄のセロトニンが関与している可能性が示唆された。
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