研究課題/領域番号 |
19K18283
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
北埜 学 大阪医科大学, 医学部, 助教 (10838296)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 癌性痛 / キマーゼ |
研究実績の概要 |
現在、日本における死因の1位は悪性腫瘍である。多くのがん患者は痛みを経験するため、がん性疼痛コントロールはQOLの向上につながる。がんはしばしば骨転移し、局所に炎症を惹起させるだけでなく、腫瘍細胞自体を増殖する。骨転移による痛みは侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛が複雑に関わるため、疼痛コントロールは困難と考えられている。キマーゼは組織線維化、血管新生促進および血管リモデリングに作用し、心血管、各臓器の線維化に関する研究が進められているが、痛みに関しての報告はない。本研究では、マウスがん性疼痛モデルを作成し、キマーゼ阻害薬であるTY51469を用いて疼痛効果の検証を行う。キマーゼが疼痛に関与するかを検証した点に学術的独自性があり、組織線維化、血管新生とがん性疼痛の関係に着目した点に創造性がある。がん性疼痛発現機序の解明を目的とし、がん患者のQOLの向上につながることに期待できる。 今年度は乳がん細胞である4T-1細胞をBalb/cマウスの右脛骨に注入し、がん骨転移モデルを作成した。がん性疼痛の経日変化は体重負荷試験装置(Dynamic Weight Bearing:DWB、Bioseb社製)で測定した。がん性疼痛に経日変化は認められず、TY51469による鎮痛効果を立証することはできなかった。またマウスを2群に分け、それぞれTY51469または生理食塩水を連日腹腔内投与し、腫瘍径、マウス生存率を経日追跡したが、TY51469による生存率への影響、腫瘍増生抑制効果を示すことができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和元年度はがん骨転移モデルの作成、キマーゼ阻害薬TY51469の鎮痛効果の検証を目指していた。がん骨転移モデルは確立できたが、TY51469による鎮痛効果を立証することができなかった。さらに生存率を経日追跡したが、TY51469による生存率への影響、腫瘍増生抑制効果を示すことができなかった。そのため、翌年度は炎症性モデルなど、モデルの変更を検討してTY51469の鎮痛効果検証をめざす。
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今後の研究の推進方策 |
がん骨転移モデルにおけるキマーゼ阻害薬の効果を立証することができなかった。炎症性痛モデルで検証、もしくは、投与する試薬を変更することで今後の研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
前述にとおり研究に遅れが生じているため、次年度使用額が生じた。 次年度は炎症性痛モデル作成のための物品購入を予定している。 また、ネガティブデータとして論文の投稿を検討しておりその費用に充てる予定である。
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