日本において、臨床使用できる尿中酸素分圧測定のカテーテルの発売がまだされていないので、プローベを用いた臨床検討に入ることができなかった。また、研究責任者が、家庭の事情で急遽大学を退職することとなり、2020年3月末日を持って当研究を終了することとなった。それまでの1年間、以下の取り組みを行った。 1.動物実験として、ラットを用いて、出血性ショック時の尿中酸素分圧の推移を測定するモデル作成に取り掛かった。セボフルレン吸入による全身麻酔下に、気管切開による気道を確保、鼠径動脈に動脈圧ライン、大腿静脈に静脈ラインを挿入し、尿道から酸素分圧測定用ポーラログラフィック電極を挿入し、脱血による出血性ショックモデルの作成を試みた。サイズ的に尿道から酸素電極挿入が困難であり、開腹して膀胱に直接タバコ縫合をかけて電極を挿入して膀胱での尿中酸素分圧測定を試みた。膀膀胱壁が非常に薄く、タバコ縫合をかけただけで尿漏れにより膀胱内腔が保たれなくなり、カテーテルを挿入して尿中酸素分圧測定がなかなか安定した値として得れれず、まだモデル作成が安静していない状況である。 2.多施設共同前向き研究を始めるために、研究計画書に着手した。使用するプローベが未確定のため、計画書も案の段階で止まっている。
|