視機能は最も重要な感覚のひとつで、術後視機能障害は患者のQOLに関わる重大な問題である。そこで、術後視機能障害のリスクがある手術において、視覚誘発電位(visual evoked potential:VEP)モニタリングで術中リアルタイムに視機能評価を行うことは非常に有用である。しかし、その警告基準に関してこれまできちんと検討されておらず、現在経験上用いているVEP振幅50%低下という警告基準では感度は60%程度であり、術後視機能障害を未然に防ぐには確実性に乏しい。そのため、本研究での最適警告基準の設定は患者の視機能を守り術後QOLを改善するために、学術的・社会的意義が非常に大きいといえる。
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