研究課題/領域番号 |
19K18312
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
竹前 彰人 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (90749821)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 間接熱量計 / 安静時消費エネルギー |
研究実績の概要 |
重症患者の救命率は年々上昇しているが、長期予後の悪化や健康関連QOLの低下により医療費の増大を招くとして問題となっている。特に敗血症などの重症病態においては、回復後早期のリハビリテーションと適切な栄養投与が相乗効果をもたらし、患者の転帰を改善させる可能性がある。 重症患者に適切に栄養療法を行うために、間接熱量計を利用して重症患者の消費エネルギーを測定し解析することで、従来の100年以上前に欧米の健常人から作成されたハリスベネディクト式に代わる、重症患者一般に使用できる新しいエネルギー推定式を作成することをが本研究の目的である。 本年度では、症例数を重ねるとともに、敗血症に特化して症例を検討し、新規予測式を作成した。本予測式は従来の予測式よりも正確に消費エネルギーが予測できることが認められ、Journal of Critical Care誌に掲載された。(Takemae et al. Journal of Critical Care 2020;56:236-242.)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
重症患者に適切に栄養療法を行うために、間接熱量計を利用して重症患者の消費エネルギーを測定し解析することで、従来の100年以上前に欧米の健常人から作成されたハリスベネディクト式に代わる、重症患者一般に使用できる新しいエネルギー推定式を作成することをが本研究の目的である。 本年度では、症例数を重ねるとともに、敗血症に特化した式を作成し、論文で発表した(Takemae et al. Journal of Critical Care 2020;56:236-242.)。 また、前述の論文よりも症例数を増やしてより正確に消費エネルギーを算出できる式を開発し、第47回日本集中治療医学会学術集会で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、症例数を増やして更に洗練された式の作成を行っていく予定である。しかし、現在のところ集中治療室における日常診療および研究活動に大きな支障を生じているのが現状であり、想定した症例数を集められていない。2020年度も当初の想定よりも症例数が下回ることが予測される。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度に、重症患者のうち敗血症に特化した症例蓄積および解析を行い、その結果を集中治療医学会学術集会や日本臨床栄養代謝学会学術集会で発表したが、新型コロナウイルス感染症発生のために、集中治療医学会学術集会はWeb開催に、日本臨床栄養代謝学会学術集会は集合型開催が中止および2020年夏に特別大会の開催という事態になったため、旅費が発生せず、未使用額が生じた。 このため、重症患者の間接熱量測定そのものの期間を増やして、少しでも症例数を増やすことに注力するとともに、解析と学会での発表を次年度に行う計画であり、次年度使用額として使用する予定である。
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