研究実績の概要 |
脳の炎症疾患だけで無く、心不全(心線維化)の臨床バイオマーカーとしても用いられるガレクチン3(Galectin3, Gal3)における肺線維症、非ウイルス性脂肪性肝炎(NASH)などの臓器疾患、さらには統合失調症などでのバイオマーカーとして有用性の検証を炎症病期と微小環境に基づいた病理組織学的な解析をマウス疾患モデルにて行い、ヒト臨床応用の基盤とする大きな目的の中で、今回、心筋に注目する。ガレクチン3蛋白は、炎症における線維化誘導因子で、その血中濃度は心不全や肺線維症の発生バイオマーカーとして期待されているが、臨床での血中ガレクチン3測定の有効性は不明である。申請者の先行研究でガレクチン3は、炎症早期、つまり炎症による線維化直前の状態を鋭敏に反映するバイオマーカーであることが示唆された。そこで本研究では、上記の心筋炎モデルを、今度は自ら作製する遺伝子改変マウスで行い、ガレクチン3発現1細胞・組織レベルでの解析を行い、“不均一な”細胞群の相互作用や1細胞が組織や臓器に与える影響を探索する。
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