研究課題/領域番号 |
19K18318
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
池尻 薫 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (90813014)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ICU-AWミオパチー / 骨格筋萎縮 / C2C12 / 骨格筋レジデントマクロファージ / PICS |
研究実績の概要 |
白血球THP-1細胞にPMA刺激を与え、細胞培養上清に放出されたエキソソームの回収を行いエキソソーム表面抗原の同定(CD9, CD63, CD81)を行った。さらにわれわれはマウス骨格筋細胞株のC2C12の上清から遠心分離によりエキソソームの回収を行い、エキソソーム表面抗原の同定を同様に行った。 同定方法としては、エキソソームをビーズアッセイ法(ビーズ表面にエキソソームを付着させる方法)を用いて表面抗原とエキソソームに発現する蛋白質の同定を行った。 本研究のテーマである「炎症により発現が亢進する骨格筋特異的マイクロRNAであるがエクソソームにより、レジデントマクロファージに伝搬されM1分化を誘導し、マクロファージM1サイトカインが骨格筋のマイクロRNA発現を強化する、すなわち「骨格筋とレジデントマクロファージの相互作用により形成される微小環境が、ICU-AWミオパチー病態に影響を及ぼす」という仮説を検証するための基礎的研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マクロファージおよび筋肉エキソソームの抽出に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
今後はこれらのエキソソームをもちいて骨格筋とマクロファージの相互作用について検証する。 具体的には、骨格筋細胞株を用いたM1型マクロファージを誘導するmyomiRNAのin vitro解析。さらにin vitro実験系で観察される骨格筋とマクロファージの遺伝子発現変化や表現型変化が、マウス敗血症モデルでin vivoでも観察できることを確認し、病態関与へのエビデンスを確立する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定どおり、マクロファージと筋肉細胞からのエキソソーム抽出に成功した。 さらに今年度はエキソソーム抽出実験の最適化を行い、少量のサンプルから効率良くエキソソームを抽出する方法の開発を行ってきた。そのためマイクロRNA解析まで実験が進まず、解析費用が発生しなかったため次年度に使用金額を繰り越した。 次年度はこれらのエキソソームに内蔵するマイクロRNA解析と相互作用によるマクロファージの表現型について解析する。
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