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2021 年度 実施状況報告書

敗血症における腸管虚血の制御:循環作動薬および鎮静薬が腸管血流に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 19K18328
研究機関長崎大学

研究代表者

横山 陽香 (井上陽香)  長崎大学, 病院(医学系), 助教 (30452866)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード腸管血流 / 微小循環 / 敗血症性ショック / 血管収縮薬
研究実績の概要

ブタ敗血症モデルにおいて体表血流を測定するレーザー血流計および微小循環評価としてorthogonal polarization spectroscopy(OPS)を使用して末梢循環と舌下および腸管粘膜血流の連動性を明らかにし、体表末梢循環の評価が腸管血流の代用モニタリングとして適切であるかについて検証する予定である。また、敗血症診療の中心を担う昇圧剤であるノルアドレナリンおよびバソプレシン投与下における舌下粘膜血流と腸管粘膜血流の変化についての相関性の有無も証明する。
レーザー血流計については、長崎大学大学院麻酔集中治療医学教室で所有が確認できているが微小循環評価としてのOPS(MicroScan)の購入について調整中である。本研究に関連した臨床研究として敗血症性ショック患者における循環と小腸粘膜傷害について論文化され、英文雑誌へ投稿された。論文は、敗血症性ショック患者において、ICU入室時の小腸粘膜細胞傷害がICU入室後24および72時間の体液バランスと有意に関連したことを証明したもので敗血症性ショック患者における小腸粘膜細胞傷害は、ICU入室後早期の体液バランス増大の一因となりえる可能性を示唆した。敗血症性ショック時の全身の血流低下とと腸管血流の低下は関連していると考えられ、本研究において体表末梢循環と腸管粘膜血流の評価の相関性が認められれば、現在評価しにくい腸管粘膜傷害への対応の一助となりうる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

微小循環評価としてのorthogonal polarization spectroscopy(OPS)について当初の予定より高額となることが判明したため購入を見送った。その代替方法をいくつか検討したが、微小循環評価に有用であるがどうかを確認することに時間を要した。また、臨床業務が多忙を極めたため、動物実験について十分な準備および実施ができなかったが、関連した臨床研究についての英文誌掲載は達成できた。

今後の研究の推進方策

現在の所、舌下および体表血流測定にはレーザー血流計を使用することで評価可能である。微小循環の評価方法についてはOPSを購入調整中である。うまくいかない場合には、微小循環観察用スコープ(Handheld CapiScope) など他の評価方法も検討中であり、代替可能であると考えている。また、臨床において末梢循環を評価できる経皮的酸素飽和度モニターのPerfusion Indexを用いて腸管虚血および合併症との関連を調査する臨床研究を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

本研究に必須の微小循環測定機器の購入の調整がつかず遅れているため、次年度使用額が生じた。次年度には、当初の予定通り、実験動物および機材等の購入と臨床研究のデータ収集、発表論文化等に使用予定である。並列して関連した臨床研究も引き続き継続していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Association between enterocyte injury and fluid balance in patients with septic shock: a post hoc exploratory analysis of a prospective observational study2021

    • 著者名/発表者名
      Haruka Yokoyama
    • 雑誌名

      BMC Anesthesiology

      巻: 21 ページ: 293

    • DOI

      10.1186/s12871-021-01515-2

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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