研究課題
若手研究
敗血症性ショックに伴う腸管粘膜血流傷害は、bacterial translocationを惹起し二次性の敗血症を来し病態増悪の一因と言われており、生命予後に関わる要因として注目されている。本研究では、敗血症性ショック患者においてICU入室時の小腸粘膜細胞傷害の併発は、循環作動薬および鎮痛薬との関連は明らかではないが、早期の過剰な正の体液バランスと関連していた。敗血症性ショックの初期輸液量が増大する一因として腸管粘膜傷害が生じている可能性が示唆された。
集中治療医学、麻酔科学
敗血症性ショックにおける救命率改善のためには、ガイドラインに基づいた敗血症診療のみならず、微小循環障害、特に腸管粘膜傷害によって生じる二次性の敗血症を契機とした多臓器不全への伸展を阻止することが重要である。本研究では、早期の過剰な体液バランスは小腸粘膜細胞傷害の併発と関連していた。敗血症性ショックにおいて早期に大量の輸液負荷を必要とする場合には、腸管血流を維持する管理を行うことが予後改善へつながる可能性が示唆された。