本研究では、異なるTLRアゴニスト投与により全身性あるいは肝障害炎症を模倣したマウスを用い、炎症過程での好中球・血小板、肝臓での脂質代謝の関与について検討を行った。得られた知見は以下の通りである。 (1)好中球を含むGr-1+細胞は抗炎症作用・肝障害に対し保護効果を有する(2)免疫応答が弱いトレランス状態の肝臓では、脂肪酸取り込みに関するCD36遺伝子発現が著しく増加する(3)身体的ストレスによっても肝臓のCD36遺伝子発現は著しく増加し、血清TGは一過性の減少後、著増する(4)TLRアゴニスト投与は減少後の血清TG著増を抑制する 以上より、肝の脂質代謝が炎症に深く関与する過程の一部を示唆した。
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