敗血症など高度侵襲に続発する臓器障害の進展には活性化顆粒球が深く関与している。我々は、血液浄化回路内に組み込まれた、活性化顆粒球捕捉のための一次カラム(本研究ではアダカラム)と、捕捉時に放出されるメディエータを除去するための二次カラムからなる新システムを考案し、これまでにブタ新鮮血を用いたex vivo の研究、生体ブタを用いたin vivoの研究を行い基礎的な結果を報告している。本研究の目的はこのデバイスを臨床応用し、敗血症の治療として確立することである。1例の潰瘍性大腸炎患者の敗血症に対して使用した結果として、白血球数は著明に減少することがなく貪食能、接着能は緩やかな低下を認めた。
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