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2019 年度 実施状況報告書

長管骨/骨盤骨折に合併する脳脂肪塞栓症の発生頻度の解明と治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K18348
研究機関岐阜大学

研究代表者

三宅 喬人  岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (70610434)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード脂肪塞栓症候群 / 脳脂肪塞栓症
研究実績の概要

脂肪塞栓症候群(FES)は多臓器に脂肪成分が塞栓症を起こす稀な症候群である。FESあるいは脳脂肪塞栓症(CFE)は多くの場合非特異的な臨床症状により診断されることが多く、本当の発症率がわかっていない可能性がある。本研究の目的はMRI所見を基に長幹骨骨折あるいは骨盤骨折に合併する脳脂肪塞栓症の発症率を明らかにすることである。
2016年4月から2020年3月の間に高エネルギー外傷で骨盤骨折あるいは下肢長幹骨(大腿骨あるいは脛骨)を受傷し岐阜大学医学部附属病院高度救命救急センターに搬送された20歳以上の患者である。MRIは受傷の2-4週後に施行した。全てのMRI画像は2名の神経放射線読影医のうちどちらかの1名により読影が行われた。患者背景、受傷までの経過、injury severity score(ISS)、来院時とMRI施行日時、手術を含む加療内容、予後を調査した。
63例の解析を行った、3例がMRIシークエンスの不足を理由に除外した。60例中45例(75%)は男性であった。全ての患者は鈍的外傷であり、29例が交通外傷、19例が転落、7例がスポーツ外傷、5例がその他の受傷機転であった。骨折型は21例が骨盤輪骨折、14例が寛骨臼骨折、15例が大腿骨骨折、4例が骨盤輪と寛骨臼骨折合併例、5例が骨盤輪と大腿骨骨折合併であった。ISSの中央値は13(4-43)であり死亡例はなかった。60例中54例は長管骨骨折あるいは骨盤骨折に対して手術的治療が施行されており、そのうち21例は来院同日に手術加療が行われていた。23例の長管骨骨折患者がいたが、全ての患者で来院同日に創外固定(9例)あるいは髄内釘固定(14例)を施行されていた。MRIは入院後18日(2-30)で施行されており、2例(3.3%)が典型的なMRIの所見を認めたためCFEと診断され、3例(5%)は「疑い例」という結果であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目標としていた60症例が集まり、解析を開始している。

今後の研究の推進方策

危険因子などの解析に加え、基礎研究を行っていく。

次年度使用額が生じた理由

差額が10,000円以下であることから、当初予算と実使用額に誤差が生じたもの。この差額に関しては研究遂行に必要な物品などに充当する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Multiple trauma including pelvic fracture with multiple arterial embolization: an autopsy case report2020

    • 著者名/発表者名
      Miyake Takahito、Okada Hideshi、Kanda Norihide、Yamaji Fuminori、Okamoto Haruka、Ushikoshi Hiroaki、Noguchi Kei、Tomita Hiroyuki、Yoshida Shozo、Ogura Shinji
    • 雑誌名

      Thrombosis Journal

      巻: 18 ページ: 3

    • DOI

      10.1186/s12959-020-00217-y

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Paradoxical Embolization of the Bilateral Subclavian Arteries After High Tibial Osteotomy2019

    • 著者名/発表者名
      Miyake Takahito、Obayashi Osamu、Kanda Akio、Okada Hideshi、Ogura Shinji、Kaneko Kazuo
    • 雑誌名

      JAAOS: Global Research and Reviews

      巻: 3 ページ: e044~e044

    • DOI

      10.5435/JAAOSGlobal-D-19-00044

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 外傷性鎖骨下動脈損傷に四肢多発骨折を合併した1例2019

    • 著者名/発表者名
      三宅喬人,神田典秀、市橋雅大、北川雄一郎、名知祥、吉田隆浩、熊田恵介、小倉真治
    • 学会等名
      第33回日本外傷学会総会・学術集会
  • [学会発表] 岐阜県外傷調査から見えてきたもの~外傷評価で過小評価となりやすい部位や合併損傷となりやすい部位の検討~2019

    • 著者名/発表者名
      吉田隆浩,福田哲也、三宅喬人、鈴木浩大、山田法顕、名知祥、土井智章、小倉真治
    • 学会等名
      第23回日本臨床救急医学会総会・学術集会
  • [学会発表] 壊死性筋膜炎における手術治療の検討2019

    • 著者名/発表者名
      三宅 喬人,土井智章、神田典秀、市橋雅大、岡本遥、福田哲也、中野通代、吉田隆浩、吉田省造、牛越博昭、小倉真治
    • 学会等名
      第47回日本救急医学会総会・学術集会
  • [学会発表] 消防本部常駐型ドクターカーの実際と課題-岐阜県での取組み-2019

    • 著者名/発表者名
      三宅 喬人,山田法顕、名知祥、柿野圭紀、大岩秀明、安田立、北川雄一郎、福田哲也、館正仁、長屋聡一郎、吉田隆浩、小倉真治
    • 学会等名
      第14回日本病院前救急診療医学会総会・学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 中毒診療における集中治療医の役割 ~化学・生物テロの対策も含めて~2019

    • 著者名/発表者名
      楠澤 佳悟,土井智章、上谷遼、市橋雅大、大岩秀明、北川雄一郎、安田立、吉山直政、福田哲也、三宅喬人、鈴木浩大、山田法顕、名知祥、中野通代、岡田英志、吉田隆浩、熊田恵介、牛越博昭、吉田省造、小倉真治
    • 学会等名
      日本集中治療医学会第3回東海北陸支部学術集会
  • [学会発表] ドクターヘリでのFASTの有効性2019

    • 著者名/発表者名
      市橋 雅大,三宅喬人、神田典秀、北川雄一郎、山田法顕、館正仁、名知祥、土井智章、吉田隆浩、牛越博昭、小倉真治
    • 学会等名
      第47回日本救急医学会総会・学術集会
  • [学会発表] 軽微な頸部外傷による咽頭後壁血腫によって気道緊急を来した1例2019

    • 著者名/発表者名
      大岩 秀明、三宅喬人、柿野圭紀、熊田恵介、吉田隆浩、吉山直政、福田哲也、小倉真治
    • 学会等名
      第47回日本救急医学会総会・学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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