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2021 年度 実施状況報告書

緑色波長光照射による血小板シグナルを介した肺保護効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K18358
研究機関大分大学

研究代表者

小坂 麻里子  大分大学, 医学部, 助教 (50838943)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード光治療 / 敗血症 / 肺保護
研究実績の概要

本研究の目的は、敗血症モデルに対して光治療を行った際に、血小板関連因子が抗炎症効果に与える影響について検討し、光治療の機序を解明することである。集中治療領域において依然重篤な病態である敗血症に対し、光治療を応用した臨床治療開発につなげることを目標としている。
我々はこれまでの先行実験で、自然光を模したLED光照射が照度依存性に抗炎症効果を有し、肺傷害を軽減することを見出した。また、各種波長光を用いて同様の光照射実験を行い、緑色波長光で炎症性サイトカインの抑制と抗炎症サイトカインの増加を認めた。そこで、緑色LED光照射を行ったマウス肺のRNAマイクロアレイ解析を行ったところ、光依存性に変動した遺伝子のうち約40%が血小板関連遺伝子であり、光治療の未知の機序に血小板が関連していることが示唆された。
2020年度までに、先行実験で得られたマイクロアレイの結果をもとに、緑色LED光を照射した際の血小板関連遺伝子発現の日内変動について検討を行った。経時的に肺組織中の遺伝子発現量をリアルタイムPCRで定量解析行ったところ、Ppbp(pro-platelet basic protein)とLtf(lactotransferrin)は緑色LED光照射による発現量の変化を認め、マイクロアレイの結果と一致した結果が得られた。さらに、これらの遺伝子に時間依存性の変化も認められた。
盲腸結紮穿刺(CLP)による敗血症モデルを作成し、緑色LED光の肺保護効果について検討を行ったが個体間の条件が安定しなかった。より適した肺傷害モデルとしてリポポリサッカライドの腹腔内投与を行い、緑色LEDの肺保護効果について検討を行っている。腹腔内投与モデルでも同様の緑色LED光の肺保護効果が認められた場合、上記血小板関連遺伝子の解析を行い、その役割について検討を行っていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

敗血症による肺傷害モデル作成の最適化のため、CLPやリポポリサッカライドの気管内投与ならびに腹腔内投与を行い、重症度、観察期間の調整を行った。上記の研究から得られた最適な条件を用いてリポポリサッカライド腹腔内投与モデルを確立した。光治療の効果を最大化するため、前治療および後治療など治療条件の検討中である。

今後の研究の推進方策

2022年度は、リポポリサッカライド腹腔内投与モデルにおける緑色LED光照射の治療条件と肺保護効果について検討を行う。また、肺保護効果と上記血小板関連遺伝子の解析を行い、その役割について検討を行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

肺障害モデルの最適化に計画より時間を要したため、2021年度中に施行予定であった血小板シグナリングの解析が行えなかった。その分の試薬、動物の費用を次年度に施行する方針とした。

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公開日: 2022-12-28  

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