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2021 年度 実施状況報告書

外傷患者に対するトラネキサム酸の病院前投与の有効性と安全性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K18367
研究機関日本医科大学

研究代表者

中江 竜太  日本医科大学, 医学部, 講師 (20786975)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード頭部外傷 / 小児 / 凝固線溶系障害
研究実績の概要

頭部外傷は凝固線溶系障害を伴うが、小児頭部外傷における凝固線溶系障害の経時変化は不明である。研究代表者は小児頭部外傷における凝固線溶系障害の経時変化の特徴や成人との違いを解析した。2007年4月から2018年12月までの間に、受傷から1時間以内に搬送されたAIS 3以上の頭部外傷患者を対象とし、傾向スコアマッチングを用いて小児群(年齢<16歳)と成人群(年齢≧16歳)の背景因子(性別、GCS、頭部外傷の病型、各損傷部位AIS、ISS)を調整した2群を抽出した。病着時、受傷3、6、12時間後のPT-INR、APTT、Fibrinogen、D-dimerを2群間比較した。468例の頭部外傷患者のうち、小児群と成人群のそれぞれ46例をマッチさせた。小児群と成人群はともにPT-INRやAPTT、D-dimerは受傷3時間後に最大値、Fibrinogenは受傷3時間後に最低値となったが、小児群は成人群と比較して有意に病着時から受傷12時間後までのPT-INR、APTTが高く、病着時から受傷6時間後までのFibrinogenが低かった。以上から、頭部外傷急性期において、小児は成人と同様の凝固線溶系マーカーの経時変化をすことが明らかとなった。
以上を、研究代表者は、第80回 日本脳神経外科学会総会シンポジウムで発表し、2021年に英文紙で報告した(2.Nakae R, Fujiki Y, Takayama Y, Kanaya T, Igarashi Y, Suzuki G, Naoe Y, Yokobori S. (2021) Time Course of Coagulation and Fibrinolytic Parameters in Pediatric Traumatic Brain Injury. J Neurosurg Pediatr. 28(5):526-532.)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナ禍において、ドクターカーなどの出動に制限がかかっているため、症例の登録が進まない状況にあった。

今後の研究の推進方策

コロナ禍の改善に伴い、ドクターカーなどの出動が可能となったら、症例の登録を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍において、ドクターカーなどの出動に制限がかかっているため、症例の登録が進まない状況にあった。コロナ禍の改善に伴い、ドクターカーなどの出動
が可能となったら、症例の登録を進める予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Time Course of Coagulation and Fibrinolytic Parameters in Pediatric Traumatic Brain Injury2021

    • 著者名/発表者名
      Nakae R, Fujiki Y, Takayama Y, Kanaya T, Igarashi Y, Suzuki G, Naoe Y, Yokobori S
    • 雑誌名

      Journal of Neurosurgery: Pediatrics

      巻: 28 ページ: 526-532

    • DOI

      10.3171/2021.5.PEDS21125

    • 査読あり
  • [学会発表] 固線溶系マーカーのモニタリングに基づいた神経集中治療2022

    • 著者名/発表者名
      中江竜太, 藤木悠, 高山泰広, 鈴木剛, 金子純也, 直江康孝, 佐藤秀貴, 畝本恭子, 村井保夫, 布施明, 横田裕行, 横堀將司
    • 学会等名
      第45回 日本脳神経外傷学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 凝固線溶系マーカーの経時変化から頭部外傷受傷日時の推定は可能か?2022

    • 著者名/発表者名
      中江竜太, 藤木悠, 高山泰広, 鈴木剛, 金子純也, 直江康孝, 佐藤秀貴, 畝本恭子, 村井保夫, 布施明, 横田裕行, 横堀將司
    • 学会等名
      第45回 日本脳神経外傷学会
  • [学会発表] 凝固線溶系マーカーの経時変化に基づいた頭部外傷受傷日時の推定2021

    • 著者名/発表者名
      中江竜太, 藤木悠, 高山泰広, 金谷貴大, 佐藤慎, 恩田秀賢, 五十嵐豊, 鈴木剛, 金子純也, 直江康孝, 佐藤秀貴, 畝本恭子, 村井保夫, 森田明夫, 横田裕行, 横堀將司
    • 学会等名
      第80回 日本脳神経外科学会総会
  • [学会発表] 小児頭部外傷における凝固線溶系障害の経時変化の特徴2021

    • 著者名/発表者名
      中江竜太, 藤木悠, 高山泰広, 松本佳之, 恩田秀賢, 五十嵐豊, 鈴木剛, 直江康孝, 横田裕行, 横堀將司
    • 学会等名
      第33回 日本脳死・脳蘇生学会総会
  • [学会発表] 凝固線溶系マーカーのモニタリングに基づいた頭部外傷治療2021

    • 著者名/発表者名
      中江竜太, 藤木悠, 高山泰広, 金谷貴大, 佐藤慎, 渡邊顕弘, 恩田秀賢, 五十嵐豊, 鈴木剛, 金子純也, 直江康孝, 佐藤秀貴, 畝本恭子, 横田裕行, 横堀將司
    • 学会等名
      第35回 日本外傷学会総会

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公開日: 2022-12-28  

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