• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

骨癒合遷延をもたらすmicroRNA抑制による新たな骨折分子治療の確立

研究課題

研究課題/領域番号 19K18368
研究機関日本医科大学

研究代表者

原 義明  日本医科大学, 医学部, 講師 (20386197)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードマイクロRNA / 骨癒合遷延 / Osteigenesis / Angiogenesis / Fibrogenesis
研究実績の概要

骨折治癒遅延に対する早期の診断と治療開始は合併症を防ぎ、骨折患者の臨床経過改善が期待できる。microRNAは塩基数18-24からなる小さなnon-coding RNAであり、タンパク発現における翻訳を抑制し、遺伝子の機能を調節する1)2)。近年の研究でmicroRNAsが人の血漿で安定した形での検出が可能となり、診断のための指標となっている3)。一方、骨再生時、促進的に働く主な機能的サイトカインとしてTGF-β1・BMP-2が知られている。これらの発現を直接抑制するmicroRNAや、これらのシグナルパスウェイ関連因子をターゲットとしたmicroRNAを同定することは、骨折治癒システムの解明に繋がるばかりで無く、早期からの骨癒合遷延に陥ることを示唆できるバイオマーカーになり得る可能性がある。また特定のmicroRNAをノックアウトすることで、骨癒合が促進されるかどうかの動物実験に発展させ、遷延治癒に対する早期治療へも応用できると考えられる。骨折後の治癒遅延においては、TGF-beta 1とBMP-2遺伝子の機能を特異的に調節するいくつかのmicroRNAs発現の強弱が骨折部の治癒過程を大きく左右しているとの仮説を立てている。骨折兎モデル作成。動物倫理委員会の規則の元、ニュージランドホワイト兎(3ヶ月)を用いて大腿骨折を作製する。TGFB1とBMP2の標的microRNAを異なる濃度で骨折兎モデルに静脈注射し骨折治癒遅延(4ヶ月以上)を確認する。またその標的microRNAを抑制するantisense oligonucleotidesおよびRNA analogs (antagomirs)を異なる濃度で静脈注射し2,4,8週に治癒改善状況を確認する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

雄SDラット(250g)を使用し、右大腿部に対して全身麻酔下に外側アプローチにて大腿部を露出して骨切りによる骨折を作成、K wireでの内固定を施す骨折モデルを作成した。洗浄後縫合して経過を観察して採血を行う予定としたが、当初予定より採血量が増加(測定する検査キットの変更に寄る必要採血量の増加)したため、尾部からの採血では十分量の血液を採取できなかった。

元々骨折後、ラットを生存させたまま1週、2種、4週、6週の4pointで採血し、検体を採取する実験系を計画していたが、予定を変更し採血時にラットを安楽死させ採血を採取する実験系へと変更した。骨癒合良好群n=5、不良群(癒合遷延群)n=5で正常群n=3の13匹(途中死亡予測を含めて約20匹)の使用予定を、各群n=3として、1週、2種、4週、6週の4pointでラットを屠殺し採血を行うこととした(n=12匹×2(n=24匹))。途中死亡予測も含めて約30匹のラットを使用することとした。

今後の研究の推進方策

現在、再度実験系を作成し採決を行なっている状況である。7月には検体が揃う予定であり、以後各群の骨形成関連サイトカインとmiRNAの網羅的解析、ターゲットmiRNAの定量測定を行い、9月にデータ解析を行う予定と変更している。コロナ禍でもあり研究室の使用も制限がかかる中での研究のため、予定が後ろ倒しにはなっているがやむを得ないものと考え、さらに遅れることなく研究を遂行してゆく予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により研究そのものの遂行が困難であったこと。採血検体の測定キットの変更により、採血量の変更を余儀なくされた事に寄る研究の遅延。

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi