研究課題/領域番号 |
19K18375
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
松田 尚也 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (30587663)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 脳血管障害 |
研究実績の概要 |
ラットSAHモデルおよびコントロール群の作成を行い、以下の項目の検討を継続している。・酸化LDL、LOX-1の検出:脳血管壁における酸化LDL、LOX-1の免疫染色、及びRT-PCRによる発現量を計測する。本項目では、SAHモデルの脳血管壁において酸化LDL、LOX-1の発現が増加している可能性が示唆された。 引き続き以下の項目の検討を進めていく。・神経細胞のapoptosis (ELISA)検出:Caspase3をELISAにて測定する。生体標本として取り出し-80℃にて保存した大脳皮質から蛋白を抽出し、ELISAにて測定、アポトーシスの指標とする。・血管内皮細胞のapoptosis (TUNEL染色)検出:両側基底核および両側脳皮質の切片を摘出し、TUNEL染色を行う。DNA断片化を光顕にてコントロール群と比較してアポトーシスの指標とする。・血液脳関門の破綻(Evans blue染色):予めEvansblue(50mg/kg)を腹腔内投与し灌流固定する。測定値をEvans blueの標準曲線(0.5-40 μg/ml)から色素量として計算し、血液脳関門破綻の指標とする。・脳浮腫の程度(脳乾燥法):生体摘出標本にて、脳乾燥による重量測定により、脳浮腫を評価する。・脳微小血栓の測定:脳皮質細動脈におけるFITC-dextran蛍光染色、Fibrinogen免疫染色、Collagen4免疫染色にて微小血栓の検出を行う。・脳内微小血管内皮細胞障害の測定:脳底動脈切片を摘出し、eNOS・MMP-9抗体染色およびELISAを行う。また、末梢血d-ROM測定を行い、酸化ストレスによる血管障害・炎症所見の指標とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ラットSAHモデルの安定した作成に時間を要し、また再現性が得られないことに関する原因検索に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き研究実施体制及び方法の見直しなども行いつつ、神経細胞のapoptosis、血管内皮細胞のapoptosis、血液脳関門の破綻、脳浮腫、脳微小血栓につき随時評価を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進行が予想以上に遅れたため、未完了の研究を継続する必要がある。 令和5年度は、物品の充実及び解析により引き続き研究を進める予定である。
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