研究実績の概要 |
てんかんは診断には脳波や脳磁図の判読が必須である。しかしながら、これらの判読には時間がかかり、専門性が必要であるため、正確かつ簡単に診断するシステムの開発が望まれている。近年、人工知能の分野が発達し、Deep learningの進歩により様々な分野への実用化が進んでいる。 本研究では、初年度で90名のてんかん患者、90名の健常者にご協力いただき、我々の施設で脳磁図用に開発したDeep learning model(convolutional neural network : MNet)を用いて、てんかん患者と健常者の自動判別を行なった。また、診断に有用とされている特徴量(Power, Functional connectivity)や、てんかん発作と発作間欠期の識別に有用とされる特徴量、phase-amplitude couplingをMNetと組み合わせることで、MNetによる識別精度の向上及び抽出された特徴量の解明を試みた。PowerやFunctional connectivityといった特徴量とMNetを組み合わせた場合は、MNet単独と識別率は変わらなかった。一方で、MNetとphase-amplitude couplingを組み合わせることで診断率が向上することを明らかにし、phase-amplitude couplingがMNetが抽出する特徴量とは異なる側面の情報を持っていることを明らかにした。 また、これらの結果は単施設の結果であったため、汎化を目指し多施設の脳磁図データバンクの作成を行なった。
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