今回用いた炎症性マーカー(Ly6C)では、脳内の単球の性質変化を血液中の単球で捉えることはできなかった。本研究でも示されたように、脳へ浸潤した単球が炎症性の性質から時間経過とともに樹状細胞様のマーカーを発現するようになり、脳内の環境は目まぐるしく変化している。そのため、炎症等による脳の2次損傷を抑える治療は、時期を間違えると合併症を増やし余計に予後を悪化させる可能性がある。今後、脳内浸潤単球の性質変化を鋭敏に反映するマーカーが本当に血液中の単球に存在するかを確かめるためには、それぞれの時期の細胞集団を回収しmRNAの全解析を行い相関するマーカーが本当に存在するかを調べる必要がある。
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