研究実績の概要 |
脂肪酸代謝に関与するfatty acid synthase(FASN)とcarnitine palmytoiltransferase1(CPT1)の脳特異的isoformであるCPT1Cがglioma を含む多くの腫瘍細胞に おいて発現していることが報告されている。我々は以前にヒトグリオーマ細胞株および外科組織標本において FASNとCPT1Cが発現していることを報告した (wakamiya 2014 neuropathology)。また我々の研究で上記の結果は色々なグリオーマ細胞株においてグルコース濃度に応じて発現量が変化することが示唆された。一 方、チオドレキシン相互作用タンパク質(TXNIP)はレドックスシステムの重要な分子として報告されており、グルコース代謝にも関与している。また、TXNIPはGLUT1を抑制するが、ZFP36がTXNIPを抑制することでGULT1が活性化し、腫瘍細胞内へのグルコース取り込みが増え解糖系が亢進することが報告された(Sullvian Cell 2018)。今回飢餓状態におけるヒトグリオーマ細胞株(U251,U373MG,T98)においてZFP36のmRNAの発現レベルについてreal-time PCRを用いて検討を行った。Glucose濃度を25mM 17.2 mM 12.5mM 0mMにmedium changeをしてから6時間後、24時間後、48時間後のそれぞれの培養細胞からmRNAを抽出して、cDNAを作製し、real-time PCRにて発現量を検討した。結果としてグルコースフリーmedium change24時間後のグリオーマ細胞株(U251 U373MG T98)はZFP36の発現が著しく亢進することが分かった。
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