MGMTメチル化の有無は、膠芽腫をはじめ神経膠腫のアルキル化剤反応性に深く関与しており、特にGrade 3以上の悪性神経膠腫では、術中(摘出後)にBCNU wafer(手術摘出腔留置用のアルキル化剤徐放剤)を留置するかどうかの判断材料となる。BCNU waferは、感染や炎症などの有害事象の原因となることもあり、術前にその効果が予測できれば、不要なリスクを避けることができる(効率的留置)。現状では術前にMGMTメチル化の有無を判断することは困難であり、神経膠腫の分子診断が術前に高い精度で可能となれば、不要な侵襲をなくすことができ、画期的な変革になると予想される。
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