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2019 年度 実施状況報告書

疾患特異的iPS細胞を用いたATRX変異神経膠腫におけるテロメア伸長機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K18412
研究機関北海道大学

研究代表者

伊師 雪友  北海道大学, 大学病院, 医員 (30812284)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード神経膠腫 / ATRX / IDH / iPS細胞
研究実績の概要

ATRX症候群の患者から樹立した疾患特異的iPS細胞からアストロサイトへの分化誘導を行うことが第一段階として必要であり、まず健常人由来のiPS細胞からアストロサイトへの分化誘導の条件検討を行った。健常人由来iPS細胞株201B7をフィーダーフリーの条件で維持培養し、Neurobasal mediumを用いて14日間の培養を行った。免疫染色ではnestinおよびPAX6陽性の細胞が確認され、neural progenitor cell(NPC)への分化誘導を確認した。同一の細胞株であってもNPCの誘導効率にばらつきがあり、手技の不安定性などが影響している可能性があると考えられる。201B7から誘導したNPCから、引き続きアストロサイトへの分化誘導をEGF、CNTF、BMP2などの分化誘導因子を用いて検討を行っている。これまでにEGFおよびCNTFを併用した分化誘導で最もGFAP陽性細胞が得られているが、成功率が低く現在検討を継続している。NPCからアストロサイトへの分化誘導条件を決定したのち、同様の実験をATRX症候群の患者由来iPS細胞に行いその性質を解析する予定である。また実臨床においてATRX変異を有する神経膠腫はほとんどがIDH遺伝子の変異を有しているため、IDH変異の遺伝子導入を患者由来iPS細胞に対して行い、IDH/ATRX両方に変異のあるモデルを作成して同様に分化誘導の研究を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

正常iPS細胞からアストロサイトへの分化誘導条件の検討が十分に行えていないため、疾患特異的iPS細胞を用いた実験に進むことができていない。

今後の研究の推進方策

正常iPS細胞からアストロサイトへの分化誘導の条件検討が完了すれば、同様の実験系を疾患特異的iPS細胞を用いて行うことができるので研究が大きく進捗すると考えている。またiPS細胞への遺伝子導入の実験系をまだ立ち上げることができておらず、並行して研究を開始する予定である。

次年度使用額が生じた理由

健常人由来iPS細胞を用いた分化誘導の条件検討までした実験が行えておらず、想定よりも実験の規模を拡大できていないために次年度使用額が生じた。
次年度使用額分も利用して分化誘導実験の拡大および遺伝子導入したiPS細胞を用いた実験も行い、その評価として行う遺伝子解析なども行う予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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