頚動脈狭窄症では、画像上の狭窄率によって脳梗塞発症リスクと治療方針を判断している現状だが、プラーク脆弱性を反映しないため診断精度の点で限界がある。アポトーシス細胞がマクロファージの貪食により除去される過程をefferocytosisといい、その障害は動脈硬化性病変の進行を引き起こす。本研究では、efferocytosisの過程でアポトーシス細胞とマクロファージの橋渡しを行うMfge8に着目し、脳梗塞発症リスクの正確かつ簡便な診断法に役立つ可能性が示唆された。脳梗塞に対する正確な診断法開発により、寝たきり患者の減少や医療費削減等の大きな社会的波及効果が期待される。
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