研究課題
オスのマウスに脳波電極付きスクリューと薬剤投与カニューラを設置し、カイニン酸(高用量1μg、低用量0.3μg)を扁桃体へ投与し痙攣重積を誘発した。その上で脳室内へはVehicle(リン酸緩衝生理食塩水)またはテネイシンCの発現抑制の目的で血小板由来増殖因子受容体阻害薬(高用量・低用量の2 dose)を投与し、テネイシンCの抑制により、マウスの頭蓋に設置した電極により取得した脳波上の重積時間、Total Power、Spike Countの各パラメーターへの影響を検討した。また、長期ビデオ脳波モニタリングをおこない、その間はビデオカメラを用いて痙攣発作などの身体的症状を観察した。また、モデル作成後各タイムポイントでカイニン酸投与側の海馬を摘出し、CA1、CA3、dentate gyrusに分割し、それぞれの部位におけるMAPキナーゼ(ERK1/2、JNKおよびp38)、血小板由来増殖因子受容体(α、βおよびリン酸化受容体)、テネイシンC、Toll様受容体4、cleaved caspase-3の発現変化をWestern blot法にて定量した。さらにWestern blot法で発現変化が明らかになった蛋白の免疫染色およびTUNEL染色をおこなった。これらの実験により、てんかん重積後の脳における神経細胞アポトーシスの誘導および神経細胞死の確認、テネイシンCの発現、脳波重症度が明らかになり、テネイシンCの誘導因子である血小板由来増殖因子の受容体を阻害する血小板由来増殖因子受容体阻害薬が神経細胞死を抑制したり痙攣重症度を軽減することを示す有望な結果が得られつつある。
2: おおむね順調に進展している
当初計画通り、研究成果が得られつつあるため。
今後も基本的に当初の計画通り、実施する予定である。
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