研究課題
血管内穿通法によるマウスくも膜下出血モデルを作成し、遅発性脳損傷の原因病態として想定される脳血管攣縮(India ink angiography)、血液脳関門障害(Evans blue法)、大脳皮質拡延性抑制および非痙攣性てんかん(脳表電極)、微小循環障害、炎症反応や神経細胞アポトーシスなどを分子生物学的手法、電気生理検査を駆使して経時的に評価した。脳組織を経時的に採取し、マトリセルラー蛋白であるガレクチン-3やその受容体であるToll様受容体4の発現・活性化変化を順次、ウエスタンブロット法や免疫染色にて確認し、遅発性脳損傷の病態にマトリセルラー蛋白の1つであるガレクチン-3が関与する可能性を明らかにした。さらに各組織中におけるガレクチン-3発現の経時的変化を明らかにした。今後、ガレクチン-3と遅発性脳損傷の各病態との関係、ガレクチン-3の機能やシグナル伝達経路を解析する予定である。具体的にはガレクチン-3に対する中和抗体や合成ガレクチン-3蛋白を作製し、健常マウスやくも膜下出血マウスの脳室内に定位的に注入することで、くも膜下出血後の遅発性脳損傷を誘導あるいは抑制できるか検討する。マトリセルラー蛋白はくも膜下出血後に誘導される蛋白分解酵素による修飾により、その機能が大きく異なる可能性があるので、マトリセルラー蛋白フラグメント生成に関わる蛋白分解酵素の制御などを加えることにより、くも膜下出血後病態におけるガレクチン-3の機能を解明する予定である。
2: おおむね順調に進展している
当初計画通り、研究成果が得られつつあるため。
今後も基本的に当初の計画通り、実施する予定である。
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