パーキンソン病モデルラットに対する迷走神経刺激療法(VNS)では0.25mAと0.50mAの低強度刺激で最大の運動症状改善が得られた。また線条体、黒質緻密部におけるドパミン神経細胞、神経繊維の保護効果ならびに、青斑核におけるノルアドレナリン神経細胞の保護効果が確認された。臨床ではVNSは低侵襲かつ高額設備を要さず比較的簡便に施行できるため、低強度刺激によるVNSはPDへの新たな治療戦略になり得ると考える。また、本研究を通じて、新規開発した電気刺激装置は刺激調節性・刺激連続性に優れ、小型軽量のため小動物への侵襲性とストレスが大幅に軽減された実験が可能と考える。
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