皮下脂肪は大量に採取することが可能であり、容易に採取された脂肪細胞内に脂肪細胞由来幹細胞が含まれており、容易に分離が可能であり、容易に入手することができる。脂肪細胞由来幹細胞はVEGFを分泌することで血管新生や幹細胞自身は神経細胞へ分化するという報告もあり、脳梗塞後の幹細胞移植には有用な細胞と考えられた。脳梗塞における幹細胞移植において脂肪細胞由来幹細胞の経動脈的投与についての報告は少ない。今回脂肪細胞由来幹細胞を用いることで機能改善や脂肪細胞由来幹細胞による機能改善のメカニズムを改善すること目的とした。 Male Sprague-Dawley rat (8週齢:240-280g)に対して、80分の一過性中大脳動脈閉塞モデルを作成した。24時間後に経動脈的に脂肪細胞由来幹細胞(ADSC)、またはPBSを投与した。ADSC 1×103個を投与したlow dose群、1×106個群を投与したhigh dose群、PBSを投与したコントロール群の3群にわけて評価した。投与後からmodified neurological severity score(mNSS)や体重測定を行い機能回復を評価し、投与後28日後にsacrificeし脳組織を採取した。Cresyl Violet染色を行い脳梗塞巣の面積を評価した。 コントロール群と細胞投与群では細胞投与群の方が有意に機能回復が認められた。low dose群とhigh dose群では差はみられなかった。また脳梗塞巣も細胞投与群で有意に脳梗塞巣の縮小がみられた。細胞投与群で比較するとhigh dose群がより機能回復や脳梗塞巣の縮小がみられた。
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