脂肪由来間葉系間質細胞 ( adipose derived mesenchymal stem cell ; AD-MSC ) は幹細胞頻度高く,多量に採取できることから量的な有用性に加え,酸化ストレスや低酸素条件への抵抗性といった質的有用性も報告されている。私たちはこれまでに,AD-MSCは骨髄間質細胞と比較して低酸素条件,酸化ストレスに抵抗性があり,移植後の生存率が良好であること,移植後の運動機能改善,神経再生,血管新生について報告している。 今回の研究では,①臨床上問題となるような重度脊髄損傷モデルを使用し,AD-MSC移植とトレッドミルトレーニングの併用により運動機能の改善が得られることを報告し( 第34回日本整形外科学会基礎学術集会 ),また②酸化ストレス下でVEGF,CCL2の合成能が上昇すること ( 第35回日本整形外科学会基礎学術集会 ) について報告した。
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