ラットの膝非脱灰標本の軟骨下骨板を骨細胞の有無にて二層に区別し、変形性関節症(OA)の発症と進行に与える影響を、複数のOAモデルラット(月齢6か月)にて評価した。加齢的OAモデルでは、軟骨表層損傷よりも軟骨下骨板拡大が先行し、OAスコアも軟骨下骨の方が軟骨よりも早期に上昇した。加齢における軟骨下骨板の無骨細胞層とX線・骨硬化幅には強い相関を認めた。一方、外科的OAモデルでは軟骨表層損傷と軟骨細胞のアポトーシス亢進が先行し、後に軟骨下骨板が拡大した。これらの変化は軟骨下骨板の血管新生を伴い、軟骨内骨化阻害薬にて抑制されたため、関節軟骨の軟骨内骨化がOAの骨硬化に関連していることが示唆された。
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