異所性脂肪の増加などの骨格筋の質の低下が、直接的に筋力低下、さらにはサルコペニアの原因となる。我々はhigh-mobility group box 2 (HMGB2)の発現低下によって、間葉系幹細胞の脂肪分化能が著明に低下することを示してきた。 本研究では、HMGB2欠損により、間葉系幹細胞においてその分化制御因子であるβ-cateninの発現、抗酸化ストレス能が増加することを明らかにした。加齢やサルコペニア誘導下のHMGB2欠損マウスにおいても同様の傾向を示し、筋内異所性脂肪発生、筋重量減少が抑制された。HMGB2が筋内異所性脂肪発生の重要な制御因子である可能性が示された。
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