研究課題/領域番号 |
19K18471
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
黒柳 元 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (80790831)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 虚血性骨壊死 / 大腿骨頭壊死症 / Toll-like receptor 4 / 間葉系幹細胞 |
研究実績の概要 |
我が国では小児や成人において大腿骨が腐る(大腿骨頭壊死症)は広く知られているが、有効な治療法がないため難病指定を受けている。申請者は全米第1位の小児整形外科の専門病院であるTexas Scottish Rite Hospital for Children(TSRH)と共同研究を開始し、同グループが開発した虚血性骨壊死マウスモデルを用いて、interleukin-6(IL-6)が骨壊死後の骨リモデリングを抑制する分子機序を世界で初めて報告した(Kuroyanagi G, et al. Bone. 2018))。また、TSRH研究グループは、骨壊死発生後に壊死に陥った細胞から放出されるdamage associated molecular patterns(DAMPs)がtoll-like receptor 4(TLR4)を介したマクロファージでのinnate immune systemを引き起こし、IL-6などの炎症性サイトカインの放出を促進することが骨壊死の病態に深く関与していると報告している。 本研究の目的は骨壊死におけるTLR4の役割のさらなる解明を進め骨壊死の新たな治療法を確立することである。骨壊死におけるTLR4の機能が解明されれば、骨壊死を制御しうる可能性があり、新たな治療薬開発などの可能性を秘めている。本研究が、現在までの骨壊死治療体系に大きな変化をもたらす可能性があり、整形外科学の発展に資する重要な研究であると確信している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、虚血性骨壊死を人為的に誘導したマウスモデルにTLR-4阻害剤であるResatorvidを腹腔内投与した。その結果、TLR-4阻害が骨壊死誘導後の骨量低下を予防できる可能性を見出した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、生体内におけるTLR4の骨壊死への機能解析のためTLR4遺伝子ノックアウトマウス (B6.129P2-Tlr4tm1Aki/Obs5)に骨壊死を誘導し、野生型マウス(B6)と比較することで、TLR4欠損が骨壊死にどのように影響するのかを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はノックアウトマウスの購入をせず翌年に繰り越したので、繰越金が生じた。
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