研究成果の概要 |
初期変形性股関節症(HOA)患者の痛みの病態は明らかになっていない。本研究では初期OAおよび進行期・末期HOA患者の滑膜組織を解析し、前初期HOA患者の病態を検討した。炎症性メディエーター(TNFA, IL1B, IL6, COX2)の発現は進行期・末期HOAにくらべ初期HOA患者で有意に高かった。さらに、CD14陽性サブセットを解析した結果、CD14強陽性細胞の割合は進行期・末期OAに比べ初期HOAで高く、CD14強陽性細胞は神経成長因子やカルシトニン遺伝子関連ペプチドなどの疼痛関連因子の発現が高かった。このことからマクロファージが前初期HOAの炎症・疼痛に関与している可能性がある。
|