変形性股関節症は年齢とともに進行する変性疾患であり、高齢化に伴い症例数は増加の一途を辿っている。治療の基本は薬物などによる保存治療であるが、近年強力な鎮痛薬の出現によりかえって関節変形が増悪することが指摘されている。本研究ではMIA投与によるラット変形性股関節症モデルを作成し、その適正化を行うことで慢性疼痛の評価を可能とした。その上でオピオイド性鎮痛薬であるトラマドール投与を行い、OA疼痛抑制効果と徐痛効果に伴うOAの進行を認めた。強力な鎮痛薬を用いることで除痛効果は得られるもののかえって関節変形は進行したことから、その投与については慎重に考慮する必要性があると考えられた。
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