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2020 年度 実施状況報告書

天然抽出物を用いたハイスループットスクリーニングによる軟部肉腫の新規治療薬開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K18498
研究機関大阪大学

研究代表者

王谷 英達  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60727965)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード軟部肉腫
研究実績の概要

軟部肉腫は筋肉・脂肪・神経などの軟部組織から発生する間葉系細胞由来の悪性腫瘍でその起源組織等から50以上の組織型が存在する。発生頻度は全悪性腫瘍の1%未満であり希少がんに分類される。また、約半数の症例で遠隔転移をきたすため集学的治療が必要とされるが化学療法の効果も限定的であり、最も有効とされる抗がん剤でも奏効率は30%程度しかない。希少がんであるため新規治療薬の開発は行われず他癌腫治療薬の適応拡大が唯一の新規治療薬獲得の機会となっている。本研究の目的は大阪大学骨軟部腫瘍グループで樹立した患者由来細胞株および動物モデルを用いて、大阪大学薬学部付属化合物ライブラリー・スクリーニングセンターの協力の元に天然抽出物を用いたハイスループットスクリーニングを行い軟部肉腫の新規治療薬開発を行うことである。
本年度は昨年度に同定した淡明細胞肉腫(CCS)に比較的効果が高いと思われる薬剤AについてCCS細胞株4株を用いて検証を行った。薬剤Aは4種類の細胞株全てに対し増殖抑制効果を認め(IC50 0.68-1.35μM)、時間濃度依存性にアポトーシス誘導を認めた。また、薬剤A投与によりCCSに特異的な融合遺伝子EWS-ATF1の発現抑制を認めた。siRNAによるEWS-ATF1サイレンシングによりCCS細胞株の細胞増殖抑制を確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ハイスループットスクリーニングによりFDA承認薬1134種の中から化学療法低感受性軟部肉腫に対して比較的効果の見込める薬剤を同定できた。また、化学療法低感受性軟部肉腫の複数の細胞株を用いて、同定薬剤の抗腫瘍効果について検証できた。

今後の研究の推進方策

淡明細胞肉腫における薬剤Aの抗腫瘍効果について作用機序の解析を行う。特に軟部肉腫特異的融合遺伝子の発現に影響するメカニズムの解析を行う。また、天然抽出物をおよび新規化合物を用いて軟部肉腫細胞株におけるハイスループットスクリーニングを行い新規抗腫瘍薬の探索を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ハイスループットスクリーニングを用いた淡明細胞肉腫に対する抗腫瘍薬の探索2020

    • 著者名/発表者名
      前裕和、王谷英達
    • 学会等名
      日本整形外科学会 基礎学術集会

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公開日: 2021-12-27  

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