エストロゲン欠乏は骨組織の恒常性だけでなく骨折治癒も損なうが、そのメカニズムは不明である。本研究では、成熟骨芽細胞特異的エストロゲン受容体 (ER) α及びβ遺伝子欠損マウスを用いて、骨再生過程におけるERs役割を明らかにすることを目的とした。 OCN-Cre;ERαf/f マウスの仮骨形成量は、ERαf/fマウスと比較して14日後でのみ減少を認めた。一方で、OCN-Cre;ERβf/fマウスは、ERβf/fマウスと比較して仮骨形成量に変化を認めなかった。したがって、OCN陽性の骨芽細胞では、ERβではなくERαが、骨再生過程の後期における仮骨リモデリングを制御することが示された。
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