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2020 年度 実施状況報告書

地域在住高齢者の身体機能低下から中長期の健康アウトカムを予測する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K18504
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

富永 亮司  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20815170)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード高齢者 / 片足立ち試験 / 医療費 / バランス能力 / Older adults / Single limb standing / Healthcare costs / balance
研究実績の概要

福島県只見町の60歳以上の地域在住住民を対象とした前向きコホート研究のデータを用いて、高齢者の静的バランス能力の指標である開眼片足立ち試験の維持能力とその後2年間の総医療費の関連性を検討した論文を「Archives of Gerontology and Geriatrics」に発表した。
ベースラインでの参加者の開眼片足立ちテスト30秒維持の可否を要因として、潜在的交絡因子を調整した打ち切り回帰モデル(Tobit model)を用いて、その後2年間の総医療費の平均値の差を比較した。
開眼片足立ちテストに合格した参加者の医療費は、合格しなかった参加者よりも有意に低かった。両群の医療費の平均差は4064米ドルであった(95 %信頼区間:2661~5467米ドル)。潜在的な交絡因子を調整した後でも、両群間の平均差は1686米ドルと小さくなったが、統計的には有意であった(95%信頼区間:125-3246米ドル)。
地域在住の60歳以上の高齢者において、静的バランスの制限が、その後の高医療費と関連している事が示された。静的バランス能力の評価は、将来的に医療サービスを頻繁に利用するリスクの高い人を特定するのに有用である可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現行で得られるデータから、地域在住高齢者の身体機能低下の指標の1つである静的バランス能力の低下が、短ー中期の高医療費と関連性があるという知見が得られた。現在の調査は2008年から継続しており、10年間というより長期の健康アウトカム・医療費のデータを収集している状態である。長期の健康アウトカムの使用について、データを管理する自治体とNPO法人に必要データの切り出し・提供を依頼した。

今後の研究の推進方策

長期の健康アウトカムの使用について、データを管理する自治体とNPO法人に必要データの切り出し・提供を依頼済みであり、データが利用可能になり次第、解析・研究の発表を推進する。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19蔓延の状況もあり、研究成果の把握・とりまとめに遅れが生じている

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Association between single limb standing test results and healthcare costs among community-dwelling older adults2021

    • 著者名/発表者名
      Tominaga Ryoji、Yamazaki Shin、Fukuma Shingo、Goto Rei、Sekiguchi Miho、Otani Koji、Iwabuchi Masumi、Shirado Osamu、Fukuhara Shunichi、Konno Shin-ichi
    • 雑誌名

      Archives of Gerontology and Geriatrics

      巻: 92 ページ: 104256~104256

    • DOI

      10.1016/j.archger.2020.104256

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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