腰部脊柱管狭窄症の主因とされる神経を圧迫する黄色靱帯が肥厚するメカニズムはいまだ解明されておらず,進行予防のための治療は確立されておらず,現在可能な薬物療法は対症療法のみである.本研究では,薬剤開発や薬剤評価に使用が期待される動物モデルを作成し,そのメカニズムを検討した.ラット腰椎の椎間関節,棘間靱帯を切除することによる腰椎の不安定性は黄色靱帯を肥厚することが確認された.その黄色靱帯内ではタンパク異化を誘導する酵素や,組織修復,血管新生を示唆するたんぱくが発現することを確認することができ,黄色靱帯肥厚のメカニズムの研究を進められる動物モデルであると考えられた.
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