研究実績の概要 |
本研究では、発育期男子中学生サッカー選手(67名)を対象に、三次元動作解析装置でキック動作を横断観察研究にて測定した結果をさらに解析した。 ボール速度との関連性について 全力キックの指示に対して、65人がインステップキックを行い、2人がインサイドキックを行った。重回帰分析ステップワイズ法より、シュート(ボール)速度を速くするためには、最大股関節伸展(HE)期における左右股関節の外旋角度の大きさ、最大股関節屈曲(HF)期における蹴り脚側股関節の内旋角度の大きさ、そして重心の高さが関係した。HF期において、両群ともにボール速度と重心の高さが相関関係を示した。また、HF期において、非腰痛群ではボール速度と重心の前方位置が相関関係を示したのに対し、腰痛群ではこれらの関係はなかった。 伸展型腰痛発症要因との関連性について 腰痛と関連する因子として、フットコンタクト(FC)期における蹴り側股関節屈曲角度と最大股関節伸展(HE)期における左右股関節の外転角度の大きさが因子とて抽出された。腰部角度は、FC期からTO期まで両群で差があった。股関節運動は非腰痛群と比較して、HE期において、腰痛群では蹴り側股関節の伸展と外旋運動が小さかった。HE期において、蹴り脚側股関節の伸展制限と腰椎伸展が相関し、股関節伸展運動が小さい者ほど腰部伸展が大きかった。HE期において、蹴り側股関節の外転運動と腰部側屈運動が関係した。蹴り側股関節の外旋制限と腰部の軸脚方向への回旋が腰痛群で相関し(NBP, n.s.; LBP, r = 0.344, P = 0.034)、腰痛群で蹴り側股関節の外旋運動が小さい者ほど腰部の軸脚側への回旋が大きかった。
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