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2019 年度 実施状況報告書

軟骨細胞シート分泌エクソソーム内包miRNAの軟骨修復メカニズムへの関与の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K18509
研究機関東海大学

研究代表者

前原 美樹  東海大学, 医学部, 奨励研究員 (40794102)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードエクソソーム / 軟骨再生 / 細胞シート / 再生医療 / miRNA
研究実績の概要

申請者は、軟骨細胞シートが産生する様々な情報伝達物質が軟骨再生にパラクラインに寄与する可能性に着目し、これまでに細胞シートが培養液中にエクソソームを放出していること、軟骨修復能の高い細胞シートにおいて特徴的に発現するエクソソーム内包miRNAが存在することを明らかにした。しかし、これらのmiRNAの標的遺伝子に対する実際のmRNA抑制機能や、細胞シートの軟骨修復機構への関与については、未だ解明されていない。そこで本研究では、これまでに同定された、軟骨細胞シートの形質発現との相関が推定される6種のmiRNAについて、軟骨形質マーカーとしての妥当性の検証と、細胞シート分泌エクソソームの軟骨修復への関与の解明を目的とした。
6種のマーカー候補miRNAが制御する可能性のある遺伝子を、Target scanを用いて確認した。6種すべてのmiRNAで制御される可能性のある遺伝子は9個ピックアップされ、この中には血管新生プロセスの制御に関与する遺伝子STC1が含まれた。3個以上のmiRNAに制御される可能性のある遺伝子1068個は、Panther Pathway classification system(ver. 14.1)によるエンリッチメント解析の結果、EGF receptor signaling pathway、FGF signaling pathway、TGF-beta signaling pathway、Angiogenesisなどに有意に濃縮されることが明らかとなった。以上の結果から、6種のマーカー候補miRNAは、軟骨基質分解や血管新生などに関与する遺伝子を標的とし、軟骨修復に関与する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2019年9月より産前休暇,2020年1月より育児休暇取得のため、研究スケジュールに遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、軟骨細胞シート形質発現マーカー候補miRNAの標的遺伝子に対する機能解析を実施する。実際に軟骨細胞等において、miRNAを高発現させた際の標的遺伝子に対する機能を確認する手法を試みる予定である。また今後、更に詳細な標的遺伝子の特定を行うために、exosomal miRNAのターゲット遺伝子を特定するためのRNA-seqを実施し、miRNAのターゲット領域を特定する実験の実施も計画している。学会発表等の成果発表もより積極的に行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

2019年9月より産前休暇,2020年1月より育児休暇取得のため、予定通りに研究を進めることが出来ず、繰越金が生じた。次年度は、miRNAトランスフェクションによる標的遺伝子への機能解析実験を行うための試薬やmiRNA mimicなどの購入のために研究費を使用する。また、exosomal micro RNAのターゲット遺伝子を特定するためのRNA-seqを外注で実施予定であるため、ここに研究費を充当する予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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