研究実績の概要 |
培養骨細胞MLO-Y4におけるミトコンドリア転写因子A(TFAM)の骨細胞壊死抑制効果。 MLO-Y4に1μM dexamethasone (Dex) (MSD, Tokyo, Japan)を添加し、低酸素環境とする際にTFAM (LifeSpan BioSciences, Seattle, USA)を付加した(TFAM群)。Dexを添加し、低酸素環境下 (1% O2)で培養した群をcontrol群とし、培養時間はそれぞれ6時間 (6h群)、9時間 (9h群)、12時間 (12h群)、24時間 (24h群)で培養した。培養したものを酸化ストレスマーカーである8-OHdGと低酸素の指標であるHIF-1αを用いて免疫細胞化学的検討とWestern blot法(WB)を行った。24h群にてTFAM群はcontrol群と比較して免疫細胞化学的検討とWBとともに有意に酸化障害を抑制した。また培養した細胞をApoptotic/Necrotic Cells Detection Kit (PromoKine, Heidelberg, Germany)を用いて染色し、総細胞数に対する細胞死数の割合を計測したところ、control群と比較してapoptosis、necrosisともに有意に細胞死が抑制された。またTFAMの効果が骨細胞の特有の反応であるか評価するために培養腱細胞を用いて同様に検討を行った。しかし、腱細胞においてはDexを添加し、低酸素環境下で24時間培養したが、TFAMの発現の低下がほとんど認めなかったため比較検討できなかった。
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