ステロイド関連大腿骨頭壊死症の原因として酸化ストレスの関与が報告されていることから培養骨細胞を同等の環境にし、細胞レベルでも酸化ストレスが発現していることを確認した。また、酸化障害の影響をうけやすいミトコンドリア転写因子A(TFAM)に注目し、培養骨細胞のTFAMをノックダウンさせ、TFAMが消失した状態ではミトコンドリアが消失し、ミトコンドリアの機能が保てないことを確認した。さらに、培養骨細胞にTFAMを付加させることで、骨壊死と同等の環境下においても酸化障害と骨細胞死が有意に低下したことが示された。このことから、ステロイド関連大腿骨頭壊死症においてミトコンドリア障害の関与が考えられた。
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