研究課題/領域番号 |
19K18512
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
平澤 敦彦 愛知医科大学, 医学部, 助教 (70632892)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | びまん性特発性骨増殖症 / 糖尿病 / 骨代謝 / 糖代謝 / 靭帯骨化 |
研究実績の概要 |
わが国は世界で最も高い高齢化率であり、その高齢者のQOLを著しく低下させる要因として骨粗鬆症や靭帯骨化症・びまん性特発性骨増殖症などの骨代謝異常がある。その有病率ならびに患者数は上昇傾向にある。同時ににQOLを低下させる動脈硬化性疾患の危険因子である糖尿病も同様の傾向がある。これらの病態は加齢による有病率増加を認めるが、過去の研究では、それぞれは独立したものではなく各病態の相互作用が示唆されている。しかし、いまだ明確な結論には至っておらず、本研究は骨代謝異常と糖代謝異常との相関を解明し、これにより双方の早期診断および介入の長期的有効性を確立し高齢年代におけるADL維持・QOL向上を目指し、以下のように研究を遂行中である。 ①靭帯骨化症(DISH)に対する定量的で検者間誤差の少ない新しい診断基準の構築に関しては、データベースはすでに集積できている。しかし、定量的で検者間 誤差の少ない診断方法として、これまでにOPLLで報告されているCT3D解析手法を適応することを計画したが、OPLLと比してDISHの骨化靭帯と椎骨との境界の設定が難しく、まず、解析ソフトの選定から見直している。 ②糖代謝異常の存在が与える靭帯骨化伸展への影響の解明に関して、そのデータの収集方法は通常の臨床現場で行われる方法であり、靭帯骨化症患者については逐次、診療の場でデータ集積を続けている。 ③靭帯骨化自然発生糖尿病モデルラットへのインスリン抵抗性改善薬の使用による靭帯骨化へのインスリンの関与の実験に関しては、その手法はこれまでに報告され行われている方法であるが、研究資材(ラット,試薬,データ管理の為の電子媒体)および作業協力者の確保が財源も含めて困難な状況となり、その実行は保留となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
理由 計画書作成当初と比して、当教室内の人員配置の結果、当方の研究へのエフォートが減少する事態が続いており、それに相まって研究作業協力者の確保が財源も含めて現状では困難な状況であり、以下の計画に遅れが生じている。 ①靭帯骨化症に対する定量的で検者間誤差の少ない新しい診断基準の構築に関しては、定量的で検者間誤差の少ない診断方法としての過去にOPLLで報告のあったCT3D解析の手法を用いる予定であるが、OPLLと比してDISHの骨化靭帯と椎骨との境界を設定することが難しく、解析ソフトの選定から見直しているが、コロナ禍で実機を試用した検討ができていない。 ②糖代謝異常の存在が与える靭帯骨化伸展への影響の解明に関しては、靭帯骨化症患者については逐次、診療の場でデータ集積を続けているが、症例数が少ない上にコロナ禍で受診者の減少もあり、まとまったデータには至っていない。 ③靭帯骨化自然発生糖尿病モデルラットへのインスリン抵抗性改善薬の使用による靭帯骨化へのインスリンの関与の実験に関しては、エフォートを割くことができず、その実行に移せていない。
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今後の研究の推進方策 |
当方の研究へのエフォートが減少する事態が持続しており、研究作業協力者の確保を優先事項としている。以下のように計画を微調整しつつ逐次、遂行していく。 ①靭帯骨化症に対する定量的で検者間誤差の少ない新しい診断基準の構築に関しては、定量的で検者間誤差の少ない診断方法としての過去にOPLLで報告のあったCT3D解析の手法を用いる予定であったが、OPLLと比してDISHの骨化靭帯と椎骨との境界を設定することが難しく、解析ソフトの選定を引き続き見直している段階である。 ②糖代謝異常の存在が与える靭帯骨化伸展への影響の解明に関しては、靭帯骨化症患者については逐次、診療の場でデータ集積を続けていく。 ③靭帯骨化自然発生糖尿病モデルラットへのインスリン抵抗性改善薬の使用による靭帯骨化へのインスリンの関与の実験に関しては、研究資材(ラット,試薬,データ管理の為の電子媒体)および作業協力者の確保を引き続き模索していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
①靭帯骨化症に対する定量的で検者間誤差の少ない新しい診断基準の構築に関しては、定量的で検者間誤差の少ない診断方法としての過去にOPLLで報告のあったCT3D解析の手法を用いる予定であったが、OPLLと比してDISHの骨化靭帯と椎骨との境界を設定することが難しく、解析ソフトの選定から見直している為、購入に至っていない。選定が済み次第、ソフト購入に使用する予定である。 ②糖代謝異常の存在が与える靭帯骨化伸展への影響の解明に関しては、靭帯骨化症患者については逐次、診療の場でデータ集積を続けているが、症例数が少なく、まとまったデータには至っておらず、データの収集がある程度進んだ後に、データ集積・解析用のコンピューター・ハードディスクの購入を考えている。 ③靭帯骨化自然発生糖尿病モデルラットへのインスリン抵抗性改善薬の使用による靭帯骨化へのインスリンの関与の実験に関しては、研究資材(ラット,試薬,データ管理の為の電子媒体)および作業協力者の確保が困難な為、その資金投入も保留としている。状況が改善次第、使用していく予定である。
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