研究実績の概要 |
ラット膝関節不動化モデル(Sprague-Dawley rats 380-400g )を作成し, 出力体外衝撃波装置(DUDOLITH SD1, Storz Medical AG社製)を使用し, 不動化した膝関節外側に衝撃波を照射した. 2019年度の結果より, 低出力体外衝撃波(ESWT)の照射の適切な出力として出力 0.25mJ/mm2、3000Hz, 週3回を選択した. 固定期間は2週間, 4週間, 6週間とし,膝関節の拘縮予防効果について検討した. 膝関節可動域では2週間では有意差はなかったが, ESWT群が4週間と6週間で有意に可動域が保たれており(900g, P=0.026, 0.002), 拘縮予防効果が示された. 現在それぞれの固定期間で膝関節前方・後方の関節包の低酸素, 炎症, 線維化, 軟骨化生, 血管新生に関する遺伝子・蛋白の発現の評価を行なっている. 拘縮に伴う線維化で増加するcollagen1a1の発現が6週固定後方関節包のESWT群でcontrol群に比べ有意に低下していた(p=0.029). 引き続き関節包のPCRを行う予定である. また, それぞれの固定週数の還流固定, 脱灰作業を行い, 現在スライドを作成している過程である. 今後は組織形態の評価, 免疫染色, 超音波顕微鏡を用いた関節包の弾性評価を行う予定である.
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