研究課題
若手研究
高齢者の腰痛症例60例を対象として、三次元歩行動作解析を実施した。歩行負荷は、長距離平地連続歩行を行った。三次元動作解析システムはVICON MX systemを用いて脊柱骨盤角度の変化を解析した。脊椎と骨盤の冠状面の歩行による動的な変化は生じなかった。一方で、矢状面では連続歩行の結果、脊椎の前傾と骨盤の前傾が有意に進行した。特に、脊椎を胸椎と腰椎のセグメントに分けて計測すると胸椎の前傾が進行し、腰椎では変化がなかった。
脊椎脊髄
本研究での三次元歩行動作解析では、従来の単純X線でのアライメント計測だけでは評価できない高齢者腰痛症の歩行バランス障害に対して、歩行時にバランスを保とうとするための代償の働きをダイナミックに評価できた。今後,さらに解析症例を蓄積することで、三次元歩行動作解析によって捉えた高齢者腰痛症の個々の代償の違いを考慮して、手術治療などの治療戦略の選択の一助となる可能性がありオーダーメイドの実現が期待される。