腰部脊柱管狭窄の主要因に黄色靭帯の肥厚があり、靭帯内部には軟骨組織が増生し、軟骨基質には種々のグリコサミノグリカン(GAG)を含有している。本研究は変性靭帯に含まれるGAGの組成を、未変性靭帯を対照として、質量分析の手法を用いて明らかにすることを目的とした。変性靭帯におけるGAG含有量は尾側部>中央部>頭側部の順で尾側部は頭側部と比較して有意に高値であった。さらにGAGを二糖化酵素で処理し、質量分析により解析した結果、3種のコンドロイチン硫酸(ΔCS-0S,ΔCS-4S,ΔCS-6S),ヒアルロン酸、ケラタン硫酸を検出し、いずれも未変性靭帯と比較して変性靭帯において有意に高値であった。
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