研究課題
若手研究
男性骨粗鬆症の病態は,女性の閉経後骨粗鬆症に比べ,未だ不明な部分が多い.HR-pQCT(High Resolution peripheral Quantitative CT)とは,ヒト生体に使用できるCTとしては最も高い解像度(通常のCTの約10倍)を有する四肢用の定量的CTである.HR-pQCTを用いて,健常日本人男性の皮質骨および海綿骨の微細構造を解析した.さらに,血液検査なども行い,骨微細構造の脆弱化に関与する因子を横断的に解析した.
整形外科学
女性における加齢による骨微細構造の変化は,海綿骨微細構造は20歳以降,加齢に伴い脆弱化が見られ,一方,皮質骨微細構造は,50歳以降,急速に脆弱化することを報告されている.本研究では,男性において調査を行い,海綿骨微細構造は女性と同様,20歳以降脆弱化が見られたが,皮質骨については女性と異なり,加齢と共に皮質骨多孔性は増加するが,皮質骨の厚み自体はある程度保たれていた.また,男性における骨代謝回転の亢進は,海綿骨のパラメーターよりも皮質骨骨密度,皮質骨多孔性との関連が強かった.