高転移性腫瘍由来の腫瘍血管内皮細胞と腫瘍細胞の共培養で,腫瘍血管内皮細胞が腫瘍細胞を取り囲むようにクラスターを形成していることが観察された.また,その状態における生存率,アポトーシスの割合を比較すると,高転移性腫瘍由来の腫瘍血管内皮細胞との共培養で腫瘍細胞の生存率が高く,アポトーシスの割合が減る傾向であった.以上から高転移性腫瘍由来の腫瘍血管内皮細胞がクラスター形成により,浮遊状態における腫瘍細胞の生存に寄与している可能性が示唆された. さらに,ヒト腎癌組織を血管内皮マーカー(CD34)による免疫染色を行い観察したところ,血管内にCD34陽性細胞を含む細胞塊を認める症例がいくつか確認された.
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