これまでに抗体医薬品であるNivolumabを用いて測定した腎癌患者の血液中の遊離型PD-1により薬剤効果予測ができる可能性を見いだした。これらの結果をもとに同様の測定システムを用いて膀胱癌患者の血液を用いて臨床病期と悪性度との相関を検討した。測定システムの詳細は、PD-L1のELISAを用いるが、捕捉抗体としてPembrolizumab(抗PD-1抗体)に置き換える方法である。筋層非浸潤性膀胱癌、筋層浸潤性膀胱癌、転移性膀胱癌、術前化学療法後の膀胱全摘標本で癌を認めなかったそれぞれの患者と健常人の血液を各5症例用いて、遊離型PD-L1の測定を行った。いずれの症例も感度以下を示したため、それぞれの症例での相関を検討することができなかった。。PD-L1の標準試料で検量線を引くことは可能であったが、低濃度域でばらつきを認めたため、測定過程の改善と血液の処理の工夫が必要であると考えた。
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