研究課題/領域番号 |
19K18556
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
加藤 学 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (60626117)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 前立腺癌 / 血管内皮細胞 / 血管内皮間葉移行 / 神経内分泌分化 / ホルモン療法 |
研究成果の概要 |
ヒト臍帯静脈血管内皮細胞 HUVECに、IL-1β/TGF-β2を添加し、HUVECのEndMTが誘導される。HUVECEndMTedと前立腺癌上皮(LNCaP)を共培養することで、共培養したLNCaPにおいて神経内分泌化マーカーのChromogranin Aの発現上昇を認めた。共培養後のLNCaPの遺伝子網羅的解析において、Synaptophysinなどの他の神経内分泌化マーカーの上昇もみられた。ヒト神経内分泌化前立腺癌検体において、血管内皮細胞は神経内分泌化した前立腺癌細胞と近接していることがわかった。EndMTを誘導したHUVECは、LNCaPの神経内分泌化を促進する可能性が示された。
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自由記述の分野 |
前立腺癌
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ホルモン治療によって血管内皮細胞がEndMTを生じ、その際に産生される増殖因子、サイトカインなどの液性因子が前立腺癌上皮細胞の去勢抵抗性変異および神経内分泌化へのの進展に関与していると仮説をたてている。神経内分泌化した去勢抵抗性前立腺癌に対する有効な治療法はなく、予後も不良である。最近は新規ホルモン剤を使用することで強力にアンドロゲン・アンドロゲン受容体経路の遮断が可能となったが、逆にこれらの経路に依存しない神経内分泌化した前立腺癌に変異する症例が増加している。そのメカニズムの解明によって多くの前立腺癌患者の治療が飛躍的に進む可能性を含んだ研究課題である。
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