研究課題
前年度までの研究において、前立腺癌細胞株PC3ではJQ1投与により遊走能、浸潤能が低下することが示された。新たな標的遺伝子の同定を目的として、PC3 における JQ1 処理群と Control群における RNA-seq データを比較し、JQ1 処理群で発現が半分以下に低下する58個の SE 関連遺伝子を同定した。それらの中から、Mitotically-AssociatedlincRNA (MANCR) という long non-coding RNA が、JQ1 により顕著に低下することを見出した。次に、siRNA を用いて MANCR を低下させたところ、PC3 の遊走能、浸潤能の低下を認めた。一方、MANCR が低下しても、PC3 の細胞増殖の低下は認めなかった。今年度の研究では、in vivoでのJQ1の機能について解析を行った。ホルモン非依存前立腺癌細胞株PC3移植マウスの作成とJQ1の機能解析4-6週齢のヌードマウスにPC3を皮下注射し、上記処置にてXenograftマウスを作製した。腫瘍播種後、JQ1、もしくはDMSOを腹腔内に投与し、治療開始後6週間で、Xenograft組織の重量を比較したところJQ1投与群で腫瘍重量が低下する傾向を認めた。マウス各臓器の転移の検索を行ったが、コントロールであるDMSO群でも腫瘍の転移を認めなかった。今後は、マウスの転移モデルを用いてJQ1の機能解析を行う予定である。
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