酸素プラズマの表面処理にてプラスチック基板上の親水性を適度にコントロールした。 前立腺癌細胞株(PC-3)を疑似血液に混濁して基板へ細胞を付着させ、基板全面で単層配列(1300~1700万個/基板)を作成した。免疫染色の後、顕微鏡にて観察を行った。 至適条件の検討では、①室温にて検体の処理は可能、②基盤付着後2日以内であれば観察可能であることが確認された。③サイトケラチン、DAPI、CD45の染色は下記の濃度設定が指摘あることが分かった。PBS 3000μl,DAPI 60μl、CK-PE 60μl、EpCAM-Alexa488 60μl、CD45-Alexa647 100μl(total 3280μl) 上記実験系にてPC-3添加疑似血液による循環腫瘍細胞の観察ができることを確認した。この結果は、「単離細胞標本、単離細胞標本の製造方法、及び目的細胞の検出方法」として特許の出願を行った(PCT/JP2019/027690) これまでに4症例の検体を用いて、本実験系の有効性を検討した。case1ではサンプル血液は5000 WBC/uLで、10mLから回収した単核球は800万であった。単核球を40%と仮定すると、回収率は40%と推定された。CK、EpiCAM、CD45の発現について独自開発のソフトウェアにて解析が可能か現在検討中である。実験系の再考を行い明視野にて細胞を確認する系、自動count法の開発などが課題となっている。
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